ニューヨーク現地採用れぽーと

米国の銀行で現地就職したケースのレポートです。

損保会社の仕事内容とキャリアー転職先はあるか?

損保会社職員の転職先に書いていこうと思います。損保会社の場合 営業職員の比率が高いので、大企業や中小企業の営業担当者が転職するケースを書きます。

結論から言います ‐ 転職先は少なくキャリアアップにはなりにくいです。

その理由と、元同期・先輩たちの転職先を淡々と記します。

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1.なぜ魅力的な転職ができないのか?

主な理由は2つで、①あくまでルート営業メインの業界であること、および②損保業界のスキルセットが独特すぎる(他業界で役に立たない)、のが理由です。

1-1: ルート営業の限界

ます①ですが、損保会社の営業職員の場合、あくまでルート営業がメインとなります。すなわち、営業先は保険を販売してくれる保険代理店に対して行うものであり、自分たちで新規開拓を行うものではありません。保険代理店をサポートする形で新規法人顧客へ提案活動をすることはありますが、0から新規法人顧客と関係を作り契約を調印するまで一貫して行うということはありません。

これらは保険代理店が行い、損保社員は保険料の見積もりや資料作成、提案へ同行といったサポート業務を行います。0からお客さんを捕まえて契約を引っ張ってくる働き方をしていないので、営業マンとしての能力が限定的なのです。

ある意味、セブンイレブンの地域マネージャー(複数のコンビニを回ってコンビニオーナーと折衝する人)や学習塾の地域統括リーダー(学習塾フランチャイズを複数店とりまとめる)といった他業界のルート営業と仕事の能力的には変わらないのです。

一方で、銀行や証券(特に証券)の場合はゼロからお客さんを獲得していき、自分たちで販売する(クロージングまでやる)ので営業マンとしての能力は高いのです。

ですので、相対的に見ても、営業マンとして転職市場で良いポジションを得にくいと言えるでしょう。

1-2: 独特すぎるスキルセット

2点目については保険の査定人(保険金を支払う人たち)や本社の内勤(IT、事務、財務等)に言えることです。保険査定の場合、あくまで事故に対する査定や示談を行い保険金を支払うというのが業務です。ですので他業界では全く役に立たず、転職市場において評価が低めとなります。

本社の内勤(バックオフィス)については、あくまで損保会社内では特定分野のエキスパートですが、その分野の真のエキスパートとは差があります。私がいたIT部で言えば、損保ジャパンの中ではITを知っている人が多かったですし、システム開発の予算取り等をやっていました。一方で、あくまで開発の経験が無い(プログラムが書けない。プロジェクトマネジメントの経験が無い)ので、社外でITのプロとしては能力に欠けるというのが実情だったと思います。会社内では十分な知識量だけども、その道で長いスペシャリストにはとても敵わないという、中途半端なポジションだったのです。

2.ではどこに転職していくのか?

損保も金融業界の端くれなので、それなりに辞めていく人は多かったです。3年で3割退職とは言わずとも、6年で2割はいなくなるようなイメージですね。私のケースも含めて、どういったキャリアでどこに転職していったのか書きます。

 

私:損保6年(内勤5年)⇒大学院(海外)⇒銀行

同期Aさん:損保3年(査定/保険金支払)⇒どこかのベンチャーの広報

同期Bさん:損保3年(法人営業)⇒不動産販売会社の営業

同期Cさん:損保6年(アクチュアリー)⇒外資生保(アクチュアリー)

先輩Dさん:損保20年(営業)⇒寝具店の店長

先輩Eさん:損保20年(営業)⇒外資ベンチャーの東京営業所(従業員数名)

先輩Fさん:損保7年⇒DeloitteでITコンサルアナリスト(損害保険業界担当)

先輩Gさん:損保10年⇒ソニー損保

同期Hさん:損保5年⇒大学院(海外)⇒監査法人

 

こんなとこですかね。そんなに悲惨でも無いですが、良い結果でもないと思います。一番上手くいったのはCさんのケースですね。職務はつながっていて、収入的にもキャリアアップだと思います。私とHさんのケースはキャリアの横滑りだと思います。

他のケースはベンチャーといいつつ中小企業であり、損保の場合 お金払いは正直良いので、年収的にもダウンになったのではないかなーと思います。まぁお金がすべてではないですけど。

 

コバヤシ